フィラリアは蚊にさされることで体内に入り、最終的に心臓や肺の血管に住みつく線状の寄生虫です。
猫への感染報告もされているため、犬だけでなく猫においても危険度が高い病気です。
- 1蚊が吸血したときに仔虫(L3)として犬の体内に侵入します。
- 2体内に入った仔虫は皮膚組織をすすみ、血管内に入っていきます。
- 3数か月のときを経て大人になったフィラリアは心臓や肺の血管に住みつき子どもを産みます。
- 4産みおとされたフィラリアの赤ちゃん(ミクロフィラリア)が、また蚊に吸血された際に、蚊の体内にもどっていきます。このようにして次の犬へフィラリアを媒介するのです。
フィラリア症とは、このように体内に侵入したフィラリアによって動物が示す症状をいいます。
感染・発症すると、食欲や元気がなくなる、咳、喀血、おなかがふくらむ、血尿など幅広い症状し、突然死も引き起こします。よくきく病気ですが、実はこわい病気なのです。
治療法としては、手術をして物理的に取り除く方法やお薬による駆虫がありますが、死亡リスクもあり、副作用や長期的な戦いになることがあります。
死をも招くこわいフィラリア症ですが、幸いなことにきちんとお薬を使えば予防することができます。
フィラリアを予防するにあたり、感染していないかを毎年予防シーズンの前に検査をする必要があります。
フィラリアの検査には2種類あります。
- 1 フィラリアの赤ちゃん(ミクロフィラリア)の検査
- 2 フィラリアの親虫の検査
予防シーズン前にミクロフィラリアがいないかどうかの検査を行い、いないことを確認してから予防薬を開始します。なぜなら、フィラリアに感染している場合は、予防薬ではなく治療へ移行する必要があるからです。
では、フィラリアの検査はどのように行うのでしょうか。
- 当院での検査の流れ フィラリアに感染していない子を想定しています。
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- 1
- 身体検査:
- 聴診、視診、触診により異常がないかチェックします。
- 2
- 採血:
- 1mLの採血をします。注射の針は細いもの(23-24G)を使用します。少しチクっとします。1分ほど圧迫止血を行います。嫌がる子や臆病な子、おうちで肢を触らせてくれる子は止血テープを巻くこともあります。
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- ミクロフィラリア検査:
- 当院では、ノット法変法および直接鏡検を行います。血液と薬品混ぜ、遠心分離機、顕微鏡を使いミクロフィラリアを検出します。10分ほどで検査結果がでます。
- 4フィラリアに感染していないことが確認されたら、予防薬をお渡しします。毎月の投薬のスタートです。
- 1
投薬は毎月同じ日にちを決めると飲み忘れがなくなります。また、忘れてしまった場合でも、数日程度の差であれば大丈夫ですので、飲ませましょう。お薬の種類が体質で合わないこともあります。フィラリアのお薬をのんで具合が悪くなった場合は、すぐにご連絡ください。
- 子犬の場合は、春-秋うまれの子は検査をして予防をスタートします。冬うまれの子(11月以降)は、蚊の活動時期とかぶっていないため、検査をせずに次シーズンの予防薬からスタートします。ご心配な方は、ご希望があれば検査を致しますので、お気軽にお申し出ください。
- 今まで予防したことがない場合、また生まれた時期によっては、フィラリアの親虫検査(抗原検査)を行います。
ミクロフィラリア検査 | ¥1,980 | フィラリア抗原検査セット(ミクロフィラリア検査・抗原検査) | ¥3,300 |
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別途診察料、採血料がかかります。
フィラリアを予防するにあたり、大事なことが3つあります。
- 1 毎月お薬をのませること
- 2 お薬の飲み始めと飲み終わりの時期を守ること
この2つに気を付ければフィラリアは予防できます。
当院で蚊の出現時期を考慮し、5月初頭~12月初頭の8ヶ月を推奨しています。
なぜこんなに長期間予防をしないといけないのでしょうか。12月には蚊はいないように思えますよね。
ここにフィラリア予防の秘密があります。
まずフィラリア予防のしくみについてご説明します。
「フィラリアの一生」はご覧いただけましたでしょうか。みなさんが毎月飲んでいる予防薬というのは、フィラリアの親虫や赤ちゃんには効果はありません。効果があるのは、ずばり「蚊から体内に入ってきた仔虫」の段階です。つまり、予防薬という名前ですが、体内に入った虫を駆虫することにより、フィラリア症を予防するお薬なのです。つまりこの予防薬は、蚊がいなくなった頃に、体内に侵入しているかもしれない仔虫をたたかないといけないため、蚊がいなくなった後もお薬をのむ必要があります。そのため、蚊が出始めた後から蚊がいなくなるまでの5月初頭~12月初頭までお薬が必要なのです。
現在さまざまなお薬がでていますが、当院ではわんちゃんは毎月飲むタイプのお薬、猫ちゃんへは首に滴下するスポットオンタイプを取り扱っております。
飲むタイプのお薬は、錠剤タイプと味付きのチュアブルタイプを取り扱っております。
各ご家庭に合わせて、お薬をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
錠剤タイプ | チュアブルタイプ | スポットオンタイプ | |
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いぬ | ¥990~ | ¥990~ | ¥1,540~ |
ねこ | × | × | ¥1,540~ |
- 8ヶ月セットでご購入された場合はセット割を適応させていただきます。金額はお問合せください。
- 体重によってお薬サイズおよび価格が異なります。詳しくはお問合せください。
- 注射タイプをご希望の方はご相談ください。