外科治療は内科治療と並び治療選択肢のひとつです。外科治療が最も有効な治療法である場合もあれば、その子の年齢や状態によっては内科治療を行うほうが総合的なメリットが大きい場合もあります。当院では、インフォームドコンセントに重点をおきその手術のメリット、デメリットを十分説明させて頂いた上で実施するようにしております。血液検査やレントゲン検査等により手術前の評価をしっかりと行うことで麻酔リスクを最大限に減らせるよう努力しております。また、その子の状態に合わせた疼痛・麻酔管理を実施していくことで動物への負担を減らし、より安全性の高い手術を行えるよう心がけております。
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四肢の筋肉、骨、関節、脊柱疾患や外傷を扱う外科の分野です。特に獣医療では骨折や靭帯断裂、椎間板ヘルニア等の疾患が多くみられます。その原因は外傷性(けが)や先天性(生まれつき)のもの、成長期の過程で発症するもの等様々です。動物の整形外科疾患の病気は慢性経過とならないよういち早く見つけ適切な処置を行うことが必要となります。
- 足を引きずっている
- 足を完全にあげている
- 首があがらない
- 腰が曲がっている
- 足をたまにあげる
- 走っているときに後足がケンケンになることがある
- お尻を左右に振って歩く
- ふるえている
- 前足や後足がO脚になっている
- 後ろ足が内股になっている
- 関節から音がなる(カチカチといった音)
- ジャンプをしたがらない
- 散歩にいきたがらない
- 高いところに登れない
- 問診
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これまでの病歴やいつからその症状があるのか、これまで似た症状はあったのかをお聞きいたします。
- 視診検査
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立ち方、座り方、歩き方をみます。実際にどの足が悪いかを特定します。
- 触診検査
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四肢の骨、関節、筋肉、を触診します。触ると痛がる、関節の曲がりが悪い等の変化を検出します。部位の特定に有用です。
- 神経学的検査
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脳神経、脊髄神経の異常を検出する検査です。整形外科的な異常は骨や関節の異常以外にも脳脊髄神経の異常からくるものもあるので合わせて評価します。
- レントゲン検査
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これまでの問診、視診、触診等を行った上で最も疑われる部位のレントゲン撮影を行います。
骨や関節の状況を評価することができます。
前十字靭帯断裂
レッグペルテス
橈尺骨骨折
- MRI検査
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脳神経、脊髄神経の異常がある場合、病変がレントゲン検査では検出できないことがあります。椎間板ヘルニア等の神経疾患は原因病変の特定にMRI検査が必要な場合があります。MRI検査が必要と判断される場合には、対応可能な施設を紹介させて頂きます。
〈当院での椎間板ヘルニアの症例 画像提供:キャミックひがし東京〉
※下記症例紹介には一部手術画像を含みます。苦手な方は閲覧をお控えください。
- 〈1歳/トイプードル/去勢雄/2.2kg〉
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【手術前レントゲン画像】
【手術中画像】
【術後包帯】
【手術後レントゲン画像】
主訴:高所からの落下
診断:橈尺骨骨折
治療:ロッキングプレートによる内固定を実施
- 〈13歳/柴犬/去勢雄/10kg〉
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【手術前レントゲン画像】
【手術後レントゲン画像】
主訴:高所からの落下
診断:橈尺骨骨折
治療:ロッキングプレートによる内固定を実施
- 〈2歳/トイプードル/去勢雄/4kg〉
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【手術前レントゲン画像】
【手術後レントゲン画像】
主訴:後ろ足をケンケンする
診断:膝蓋骨脱臼症Grade 3
治療:滑車溝形成術/内側支帯のリリース/関節包縫縮/脛骨粗面転移(TTT)